MT車の楽しみって？
Versteck氏がAT限定解除したそうなので
これで彼も晴れて合法的にMT車に乗ることが出来るようになったわけですが、
彼曰く「MT車の楽しみがよく分からない」とのこと。
うーん、私はもともと車、特にMT車に乗りたくて仕方なかったのでMTで免許を取ったわけで
そこに楽しみを見出すのにも時間はかからなかったと言うか
最初っから楽しみっぱなしという感じだったのですが、
Versteck氏のように特にMT車に乗りたかったわけでもないという人にとっては、
いちいちクラッチペダルを踏んで自分で適切なギアを選択しなければならないMT車は
ATほど気楽に乗れない面倒な乗り物という風に映っても仕方ないのかもしれません。
そもそも私が楽しいと感じていることをVersteck氏が楽しいと感じるとは限らないわけで、
こればかりは説明のしようがないと言うか、自分で見つけてくれと言う他ないですな、無責任だけど(ぉ
まぁコレだけじゃあんまりなので、とりあえず私がMT車について
魅力的に思っているところ、楽しいと思っているところをちょっと挙げてみます。
- シフト操作そのもの
やっぱりこれが第一ですね。今どきの賢いAT車はスムーズで適切な変速を自動でやってくれます。
その変速操作をあえて自分で行う事、自分の思い通りに行う事。
そこに楽しみを見つけられるか、それともただ面倒なだけと思うか。
ここがMT車を好きになれるかどうかの大きな分かれ道かもしれません。
ATのスポーツモードの方が変速にかかる時間自体は速かったりしますが、
ラグが読みやすいのはMTの方ですし、ATには例えスポーツモードでも
MTには及ばないと思っている部分があるので…。これについては後述。
- ダブルクラッチ
最近のMT車では必要ないと言われることも多いですが、
昔のMT車なら必須の操作だったし今でもやって悪いことはないはずです。
ダブルクラッチがなんなのかは各自で調べていただきたいのですが、
これが完璧に決まると完全にショックレスなシフトダウンができ、
シフトノブも軽く弾いてやるだけで面白いように目的のギアに吸い込まれていきます。
これが非常に気持ちいいのですが、完璧な回転合わせは未だに数回に一回できるかどうか…。
- レスポンスのよさ
例えば一般的なトルコン使用のAT車の場合は、
その機構上エンジン出力を駆動輪に伝達するまでに
どうしてもロスが生じてしまいます。
このロスが結構曲者で、例えばアクセルペダルを少し踏み込んだだけでは
エンジン回転数のみが変動して車速には殆ど反映されなかったりすることもあります。
それでも最近のATはロックアップ機構がついていたりして出来がいいものが多く、
かなりレスポンスのいいものもあります*1。
しかし、やはりほぼロス皆無なMT車のレスポンスは別格です。
トルコンがオイルを介して駆動するのに対し、
MTではクラッチを直接あわせることにより動力を伝達するので
どうしても差が出てしまうのです。また、レガシィの場合でいえば
スバルの5AT*2の出来があまり良くなく、
前述のロスが非常に大きく感じられるというのもあります。
レガシィのATの場合は、コーナーの途中でパーシャルにしようと
僅かにアクセルペダルを踏んでみてもエンジンの回転数が反応するだけで、
自分の思い通りに走れないフラストレーションを感じることもしばしば。
自分のMTのレガシィは同じような場面で確実に反応してくれます。
簡単に言えば、MT車のほうがより自分の意思を車に伝えやすいということです。
スポーツモードつきの最新のATでも、コレだけはMTには敵わないと思うのです。
- パワーバンドを有効に使える
これは特に軽などの非力な車に乗ったときに感じるのですが、
MTの方が非力な車では有利な場合もあります。
前述のロスも減りますし、少ないパワーを有効に使うためには
敢えて低いギアのまま高回転まで引っ張ってやることが必要な時もあります。
こんなとき、普通のAT車では勝手にシフトアップしてしまったり
シフトアップとキックダウンを繰り返してせわしない動きになることも。
ODを切ったりATセレクターを低いレンジに入れてやることである程度対処できますが、
MTの方が全て自分でやる分臨機応変に対応しやすいような気がします。
幾つか挙げてみたわけですが、まとめてみるとMTの魅力は
「自分の意思を車に反映させやすい事」だと私は思っています。
より自分と車が近く感じられる、といったところでしょうか。
毎日仕事で車に乗らざるを得ない人にはATの方が楽でありがたいのかもしれませんが、
幸いにして(？)私は完全に自分の趣味として車を見ることが出来る立場なので…。
とりあえず、Versteck氏はターボなしの軽自動車のMTを
交通量が多くて流れのいい道路で半日乗り回してみれば案外分かるかも(ぉ
