さよならNSX

http://www.honda.co.jp/news/2005/4050712-nsx.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050712-00000088-mai-bus_all
ホンダのフラッグシップスポーツカー「NSX」が今年12月をもって生産終了になるそうです。
バブル真っ只中の1990年に生まれたNSXは、しかし、
単にバブル期の気まぐれで生み出された車ではなく、
国産車で唯一の本格的スポーツカーと言ってもいいくらいの車でした。
スポーツカーとして理想的なミッドシップレイアウト、
世界初のオールアルミモノコックボディ。
生産に移せたのはバブル期だったからかもしれませんが、
そのコンセプトはホンダの本気が作り上げた本物のスポーツカー。
そのデビューは衝撃的だったと聞きます。
街中では普通乗用車と変わらぬ快適な乗り心地を実現しながら
サーキットではどんな車よりも速く、
デビュー当時のフェラーリの拡販モデル「348」を完膚なきまでに叩きのめしたそうな。
これに慌てたフェラーリは慌てて「F355」を作ったとか。
1000万円クラスの価格といい、国産スーパーカーとも言える車だったわけです。
その後も細かく改良を加え続け、気が付けばデビューから15年もの歳月が流れていました。
ここ数年、国内における販売台数は毎月1台程度、
多くて2台、少ない時は0台といったところだったようです。
多分、いや確実にフェラーリやポルシェよりもレアな車です(ぉ
もともと多い台数を売る車ではないのですが、そのような車に対しても
真摯に小変更を繰り返し最高レベルの性能を維持し続けたのは素晴らしいと思います。
2002年にGT-RRX-7スープラが排ガス規制のために消えた後も
NSXはその規制に対応して今まで生き延びてきたわけですし、
いろいろな意味でNSXという車がもっていた先見性とホンダの本気度に感心させられます。
それでも売れなかったのは、デビューから10年以上経過したという事よりも
NSXに1000万円クラスのスポーツカーが持っているべき「色気」が無かったからではないかという気も。
フェラーリやポルシェには見た目に分かりやすい「華」もネームバリューもありますが、
NSXにはその点が今ひとつ欠けていたように思います。
高額スポーツカーを買う人々というのは車好きとは限らず
単に「ブランド」「見栄」で選んでいる節がありますが、
「ホンダ」というメーカーもどこか地味なスタイリングも
そういう人々に対しては訴求力が不足していた感が無きにしも非ず。
この辺は現行レジェンドにも感じられた事ですが…。


いずれにしても、NSX国産車、いや全ての自動車史上に残る名車であるのは間違いないでしょう。
生産終了は残念ですが、後継モデルの開発は行われているらしいので
新型NSXの誕生を待つことにしましょう。
多分また1000万円クラスのプライスタグを掲げてくるでしょうから
自分とは当分縁のない車になりそうですけど(ぉ


それにしても、これでNSXがなくなると現在スーパーGTのGT500に参戦している車で
今でも市販車が販売されている車種はZ33フェアレディZのみになってしまうわけで、
それも何だかなぁ、という気がしないでもないです。