福知山線事故、犠牲者増加

昨日兵庫県尼崎市福知山線で発生した脱線衝突事故ですが、
発生から2日目の夜を迎えた現時点で犠牲者は76人にも上っています。
更に、マンションの一階部分に突入した先頭車両の内部にも
既に亡くなっていると思われる人が10人以上いるとのこと。
最終的には犠牲者は80人以上、100人近くにも上るのではないでしょうか。
今の時代にこんな事故が起こるなんて…。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050426-00000120-mai-soci
その後の調べでは、伊丹駅におけるオーバーランは8mではなく40mだったことが明らかになりました。
8mというのは、車掌が運転士に頼まれて言った嘘の数字だったそうです。
40mのオーバーと8mのオーバーでは後者の方が責任が軽いでしょうし、
昨年にも100mのオーバーランかましていたこの運転士にとっては
これ以上大幅なオーバーランがあったことが発覚するとマズイと思ったのでしょう。
JR西日本はペナルティが異常に厳しいらしいですから、
そういう背景が運転士を焦らせたのかもしれません。
やはりJR西日本の社内体質や職員の管理について問題になりそうな気がします。
運転士の、車掌と口裏を合わせて誤魔化そうとしたやり方は感心できませんし、
協力した車掌も恐らく重大な処分を受ける事になるでしょうが、
厳しいダイヤに追われて必死に仕事をしても、
正直に話して結果厳しいペナルティが課せられることを考えれば、
バレないように口裏を合わせて少しでも軽いペナルティで
済まそうという気持ちになるのは無理もないことかもしれません。


脱線直前に非常ブレーキがかけられたそうですが、その時点での速度は100km/hだったそうです。
これはJR西日本鉄道総研が弾き出した曲線通過可能な限界速度である
133km/hからはだいぶ低い速度ですが、制限の70km/hよりはかなり速いです。
憶測ですが、非常ブレーキをかける直前までは120km/hで走行してきて、
100km/hに落とすまでは常用最大ブレーキをかけていたのではないでしょうか。
いずれにしても直接的な原因は限界を超えたスピード*1という事になりそうですが、
間接的には上記のようなJR西日本の体質が関係しているのかもしれません。
私の経験ですが、JR西日本管内に出かけたときにはいつも数分程度遅れが出ていました。
特に長距離を走る列車などは、常に遅れていたように記憶しています。
223系の新快速が135km/h運転をしているのを見たこともありますし。
あの時は普段より速い速度が味わえて得したと思っていましたが、
今考えるとギリギリのダイヤに間に合わせるための必死の回復運転だったのかもしれません。
そういうわけで、私鉄との競争が激しいという現実も分かりますが、
JR西日本がもう少し肩の力を抜いて余裕を持たせていれば
或いは防げた事故だったのかもしれないという感じもします。


それにしても、運転士が無謀とも言えるスピードで走ってしまったのがやはり残念です。
もしかしたら乗客のためを思って遅らせないように頑張ったのかもしれませんが、
いくら運転暦11ヶ月とはいえ「プロ」なのですから、安全性を損なうような
無茶な回復運転はするべきではなかったと思います。
たとえ厳しいペナルティが待っていたとしても、乗客は誰も死なずに済んだかもしれないのに…。
まぁ、今となっては結果論に過ぎませんが。


事故で亡くなられた方々のご冥福と負傷者の方々の一日も早い回復、
まだ閉じ込められている方々の一刻も早い救出を重ね重ねお祈りします。
そして二度とこのような事故が起こらないように、関係者は尽力して欲しいところです。

*1:多分80〜90km/hくらいなら十分いけたのではないかと