<尼崎脱線事故>事故車乗車の運転士2人、救助活動せず出社

もう尼崎の事故から一週間が経ちましたね。早いものです。
様々な事が明らかになるにつれ、JR西日本への批判の声も高まる一方。
そんな中、こんなニュースが新たに報道されました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050503-00000060-mai-soci
最初は「何やってんの」とも思いましたけどね。
よく考えると、彼らが事故で動かない福知山線の運転士とは限らないわけです。
もしかしたら東海道本線の運転士かもしれないし、大阪環状線の運転士かもしれない。
何が言いたいのかというと、彼らにはその日こなさなければならない職務、
運転しなければいけない列車があったからこそ出勤していたわけで、
例えば大阪環状線の運転士が福知山線で起こった事故のために
大阪環状線の運転台を空けるわけにはいかないと思います。
だって極端な話、大阪環状線のユーザーには福知山線がどうなろうとほぼ関係ないんですから。
「事故に遭っても間に合ったはずの運転士が来ないので列車は動きません」では
乗客としては納得もいかないし、混乱が必要以上に広がる可能性もあったわけです。
混乱が増えてイレギュラーな状態になると事故も起きやすくなりますし。
全く問題がなかったということはないにしても、
彼らはあくまでもプロの「運転士」であり、救助隊ではないのですから、
自分が乗務する予定の列車に間に合うのなら是が非でも出社して
運転するのがプロの運転士としての対応だったのではないでしょうか。
自分の職務以上のことに手を出した結果本来なすべき職務を果たせないのでは本末転倒であり、
それはやはりプロ意識に欠けるという誹りを免れる事はできないのではないでしょうか?
そういう意味で、今回のこの2人の行動は必要以上に責め立てられるべきではないと思います。
どうしてもというならば、この2人は出社させて代わりに
非番の運転士を現場に向かわせるなどすればよかったのかも知れませんが、
いずれにしても上司は現場を見ていないはずですから的確な指示は無理だったかもしれませんね。


それでも納得がいかないという場合は、一刻を争う緊急の手術のために呼び出された医者が
途中で目撃した交通事故の救助をしていて手術に間に合わず
患者が死亡したというケースを想定してみてください。
この医者は「事故の助けをしていたのでは仕方がない」として許されるべきでしょうか?


とにかく、今回の事故では確かにJR西日本側にも問題があったことは確かなんでしょうが、
マスコミ連中の必要以上のJRバッシングもいい加減見ていて腹が立ちます。
マスコミは少し黙っててくれると助かるんですけどね。
彼らが何か騒ぐたびに物事の本質がボヤけて見にくくなる気がします。
ま、どうせ自分達の論調を形成するのに有利な内容しか報道しないのでしょうから仕方ないですね。
叩くのに集中しすぎて本質を捕らえ損ねていやしないかどうか、省みて欲しいものです。