新型BMW 3シリーズ

BMWのディーラーに行って新型3シリーズを見てきました。
さすがにまだ試乗車はありませんでしたが、ショールームには展示車がありました。
展示車は150psを発生する2リッター直4を搭載した320iで、6速AT仕様。
ボディカラーはやや暗めのグレーで、タイヤは16インチでした。
恐らく一番ベーシックな仕様だと思います。
さて、今度のE90型3シリーズはボディサイズが拡大された事、
特に全幅が1800mmを超えたことが物議を醸しているようです。
確かに、先代のE46に比べて一気に75mmも拡大した事や、
そもそもこれまで一番小さいBMWだった3シリーズが
一昔前の5シリーズ並の全幅を持つようになった事に対して、
これまでのファンが不安や戸惑いを感じる事は致し方ないことかもしれません。
で、ショールームで見た印象から私なりの結論を言うと、
「やはり3シリーズは3シリーズである」といったところでしょうか。
分かりやすく言えば、まず問題ないと考えてよさそう、ということです。
E46と比べても、大きくなったという印象は全くと言っていいほど感じられず、
いかにも3シリーズらしい、引き締まったスタイリングでした。
車全体の雰囲気は紛れもなく3シリーズのそれであり、他の何者でもあり得ません。
そもそも今回の全幅1817mmという数値は、ボディのプレスライン部分に設置された
ドアハンドルを基準に測った数値なのだそうです。
実際にはドアミラーという張り出しもありますから、
ドアハンドルだけぶつける事などまずあり得ませんよね。
それに、BMWならではの極限まで切り詰められたオーバーハング
車体の前後、特にリアエンドをかなり絞り込んだ形状である事も手伝って、
実際の取り回しに関してはそれ程問題にはならなそうな気がします。


それにしても、写真で見たときから気に入ってはいましたが、
やはり実車はそれ以上にカッコいいですね。
最新のBMWに共通の新しいプレスラインを持ちつつも
どこかこれまでの3シリーズと共通した雰囲気があり、新しいけれど変わらない*1
新しいけれど親しみやすい、そんなデザインです。
これまでのBMWの記号と新しいBMWの記号が上手く調和していると感じました。
強いて言えば16インチでは足元がやや寂しい感じですが、
見た目を重視してインチアップするとバランスを崩しかねず、
BMWの魅力を失いかねません。とはいえ、1シリーズも17インチを履きこなせるので
それくらいまでは普通に履けるのではないかと思いますが。


ボンネットを開けてみると、120iと共通の2リッター4気筒エンジンは
まるでバルクヘッド*2に食い込むようにしてエンジンルーム後方に載せられています。
直6も載せられるエンジンルームなので、前方はスッカスカです。
フロント車軸より後方にエンジンを載せる、これがBMW流。
いわゆるフロントミッドシップですね。
運動性のことを考えれば、エンジンのような重量物はホイールベース内に設置するのが理想的。
BMWのようなセダンベースの車でこの理想を実現するには、
エンジンをフロント車軸より後方に搭載するという手段がとられます。
BMWの車はほぼ全車種においてこのレイアウトにこだわっています。

ちなみに、私のレガシィも含めスバルの普通乗用車はレイアウトの都合上
フロント車軸の上〜前方にエンジンを搭載せざるを得ません。
スバル車のやたらに長いFオーバーハングも、あそこにエンジンが載っているからなのです。
車体の最前部にエンジンをぶら下げるレイアウトは理想的とは言えませんし、
それゆえにスバルはレガシィのボンネットをアルミにするなど
少しでも車体前後部の重量を軽減しようと努力しているのですが、
走っているとやはりたまに持って生まれたレイアウトというものを意識させられることがあります。
それでもスバル車はよく仕上がってると思いますが。



車内に乗り込んでみます。室内の風景はよくも悪くも雰囲気が前と変わってません。
国産車*3の装飾が多い内装を見慣れた目には全体的に殺風景に映ります。
プラスチックの質感もそれほど高くありませんし、
これが国産アッパーミドルと同等以上のプライスタグを掲げる車の内装なのかと思うと
ちょっと寂しいような気もします。いくらBMWの本質はそこじゃないといってもね…。
しかしドライビングポジションがピッタリ決まるのはいいですね。
ステアリングにはテレスコピック機構も付いていますし。
私のレガシィはチルト機構しか付いておらず、
ペダルに比べてステアリングが相対的に遠い*4元々のレイアウトのおかげで
しっくり来るドラポジを見つけるのにちょっと苦労するのですが、
3シリーズはペダルもステアリングもまさにベストポジションにセットできます。
室内空間は、拡大したボディサイズのおかげで全体的にE46より余裕があるように感じました。
しかしそれに反してボディの大きさというものはそれほど感じさせません。
リアシートは、足元がかなり広々しており、ヘッドクリアランスも十分に確保されていました。
座面高も適切で、ルーフ後端もヘッドレストの上まで伸びており、
私のレガシィB4よりもリアシートの居住性はよさそう。
ただし、シートの両端がリアホイールハウスに若干被っていて盛り上がっているため、
リアに3人座るのは少々つらいかもしれません。


ショールームに置いてあったのをざっと観察した限りではこのような感想を持ちました。
あとは実際に試乗して少しでも走らせる事ができればよかったのですが…。


それにしても、いくら先代の318iより装備が充実して新しいエンジンを搭載して
実質かなりの値下げと同じ事だと言われてもツルシで400万円はやっぱり…。
んー、でも乗るだけ乗ってみたいなー。

*1:いい意味で

*2:エンジンルームと室内の隔壁

*3:特にトヨタ

*4:オデッセイよりはずっとマシですが